エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「婚約解消したんだってね。された、といった方がいいのか。瑞希の直属の上司だもの、知ってるでしょ?」

「し、知らない……」

「そうなの? ああ、そうか。布施さんのいる部署だからこそ、周囲は気を使って話さないようにしていたのかな。先週のことらしいよ」


真野は布施と関りが薄いからか、他人事として淡々と教えてくれる。

それによると、次の総理大臣と言われている鴻池(こうのいけ)という大物政治家の孫息子で、昨年衆議院議員に初当選した青年が京香に結婚を申し込んだらしい。

布施は優秀なキャリア外交官だが、天秤にかけて考えて鴻池の方が結婚のメリットがあると思われたのかもしれない。

京香の父である豊島事務次官から、婚約解消を言い渡されたという話であった。

瑞希はショックを受けて無言になる。

(そんなの、布施さんが可哀想……)

どんなに傷ついていることだろうと心配したが、その直後に疑問に変わる。


「真野ちゃん、私、午前中も布施さんと打ち合わせしてたんだけど、なにも変わった様子はなかったよ。いつも通り厳しくて、いつも通りたくさん助けてもらった」

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