愛しの鳥籠〜独占欲は凶器篇〜
「ランさんってドMですかぁ?わたしもドMなんですよぉ。こぉんなイケメンなユキ先輩に拉致られて閉じ込められるなんて、想像しただけでゾクゾク来ちゃいますぅ」
にへらと厭(いや)らしく下品に笑った愛梨沙は今度は僕の方を向いて尚もその穢らしい口で不快な言葉を吐く。
「ユキ先輩ぃ。ランさんは確かに超絶美人さんですけどぉ、愛梨沙だってモテるんですよぉ?
それにぃ、ユキ先輩、美人よりも可愛い系の女の子のが好きって言っていたじゃないですかぁ〜。だったら愛梨沙のほうがタイプの筈でしょぉ?」
ピリリッと、ランの空気が変わった。
まるで鎌鼬(かまいたち)を纏ったみたいで、ランに触れようものなら、全身を斬り刻まれそうな程のものだった。
それを愛梨沙も感じたのか、
「じょ、冗談ですけどねっ?愛梨沙、ユキ先輩のこと前から有りだなぁって思ってただけなんで…っ。それに愛梨沙カレシ居ますからっ…!」
と、急いでさっきの言葉を訂正したが
ランの視線は愛梨沙から離れなかった。