愛しの鳥籠〜独占欲は凶器篇〜
「…僕は何も知らないし、何も聞かない」
「ユキ…」
「僕達の間に入ってこようとした奴の事なんてどうでもいいし、どうなっていようと知った事じゃない」
「…」
「もし、天国に行けないような事をしてしまっていたなら、2人で一緒に地獄に墜ちよう。僕は死んでもランを離さない」
わかってる。
間違っている事はわかっている。
ランが愛梨沙に何をしたかはわからない。
もしかしたらラン自身も把握しきれてない事なのかも知れない。
深過ぎる愛情と独占欲は、凶器だ。
邪魔する奴の肉体も魂さえも滅んでしまえばいい。
そんな純粋で残酷な想いを僕達は強く抱いている。
墜ちて墜ちて墜ちて、そして、
どこまでも抱き合おう。
ランとなら。
僕の欲望は、いま、放たれた。
2021.8.25
「独占欲は凶器篇〜完〜」


