社長はお隣の幼馴染を溺愛している《宮ノ入シリーズ④》
誰から教えてもらったのか、八重子さんは指と指をくっつけて、ハートマークを作った。
「ご結婚は今年でしょうかね? それとも来年?」
「八重子さんっ! だから違うんですってばっ……」
「志茉? なにしてるんだ? 会社に行くぞ」
「ひえっ! か、要人!」
いつの間に出てきたのか、要人は道路にマセラティを止め、私を呼ぶ。
慌てて腕時計を見ると、もういい時間だった。
「や、八重子さん、失礼します」
「はい。いってらっしゃいまし」
八重子さんは私たちが乗った車が見えなくなるまで、道路に立ってを見送る。
――まったく、八重子さんには敵わないわ。
要人より、厄介な相手である。
「八重子さんとなにを話してたんだ?」
「え、えーと。天気の話よ」
「怪しいな」
知らん顔してくれたらいいのに、要人は無駄に鋭い勘を発揮して、私の嘘を見抜こうとする。
視線を感じ、要人を横目で見る。
「前だけ向いてなさいよ! 危ないでしょ!」
「なんか、俺に隠してないか?」
「隠してません!」
要人は変なとこで勘が鋭いから、気を付けなくてはならない。
「ご結婚は今年でしょうかね? それとも来年?」
「八重子さんっ! だから違うんですってばっ……」
「志茉? なにしてるんだ? 会社に行くぞ」
「ひえっ! か、要人!」
いつの間に出てきたのか、要人は道路にマセラティを止め、私を呼ぶ。
慌てて腕時計を見ると、もういい時間だった。
「や、八重子さん、失礼します」
「はい。いってらっしゃいまし」
八重子さんは私たちが乗った車が見えなくなるまで、道路に立ってを見送る。
――まったく、八重子さんには敵わないわ。
要人より、厄介な相手である。
「八重子さんとなにを話してたんだ?」
「え、えーと。天気の話よ」
「怪しいな」
知らん顔してくれたらいいのに、要人は無駄に鋭い勘を発揮して、私の嘘を見抜こうとする。
視線を感じ、要人を横目で見る。
「前だけ向いてなさいよ! 危ないでしょ!」
「なんか、俺に隠してないか?」
「隠してません!」
要人は変なとこで勘が鋭いから、気を付けなくてはならない。