世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 だけど、あかりもまだまだ恋愛初心者。お世話に全てを捧げてきた女。この感情を恋と呼んでいいのか、あかりは総一郎のシャツに額を擦り付け小さく唸ると、その背中に腕を回した。


 総一郎はそんなあかりにグッときて、きゅんときた。思わずほっぺに噛み付いてしまいたくなったが、頑張って我慢した。



「……これからも、よろしくお願いします」
「うん。よろしく」



 リビングの真ん中、抱き合い体温を上昇させ、気持ちを持て余す二人。


 恐ろしいことに付き合っていないし、未だに無自覚。


 だが、今回の事件で仲が深まったことは確かだ。
 
 
 

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