世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果




「あかり、おはよ」
「あ、総一郎くんおはよう。家出るの7時半だっけ?」
「うん」
「そっか。朝ごはんもう食べる?」
「食べる」



 すでにジャージに着替えていた総一郎は、あかりの背後にすすすっと移動して、額を肩に埋める。あかりの髪の毛が鼻先をくすぐり、シャンプーのいい香りがして心がムズムズした。

 
 傍目から見ると完全にカップルだが、お約束の如く二人は恋人ではない。


 あかりはキス事件以降、総一郎がくっ付いてくると少しだけ緊張する。しかしそれは嫌な緊張ではないから考えものだ。


 ドギマギしながら背中に引っ付く総一郎に声を掛ける。




< 135 / 267 >

この作品をシェア

pagetop