世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 隼也の毎日の日課はランニングだ。


 今日も部活は休みだが、変わらず朝食を済ませ、河川敷のランニングコースをスポーツウェアで走っていた。


 夏の、まだ比較的涼しい時間。
 犬の散歩をする老人、ベビーカーを押す母親を通り越して、隼也はペースを落とさず走り続ける。


 すると、遠目からでも分かる高身長塩顔イケメンと、小さくて可愛い女子が楽しげに歩いてくる。


 あれは、顔面と運動神経に全てを振り切ったポンコツ幼馴染総一郎と、その同居人のどこか抜けてるあかりである。



 あかりは小さくて花が咲くような笑顔の可愛らしい見た目をしているので、総一郎と歩いていると美男美女のカップルにしか見えない。


 それなのに付き合っていない。謎の二人だ。
 

 二人もまた隼也に気付くと、手を振ってくる。隼也は二人に駆け寄った。




< 234 / 267 >

この作品をシェア

pagetop