世話好き女子がクーデレ男子を愛育した結果



 あかりはにこにこ微笑み、キラキラした目で総一郎を見上げる。


 総一郎はメンチカツよりもあかりにグッときた。



「美味しいね〜!」
「あかりかわいい」
「メンチの感想言ってよ」
「美味しいし、あかりがかわいい」
「ハッピーって感じ?」
「それだ」
「ふへへ」



 二人は幸せいっぱいメンチカツを完食し、帰宅すると、今度はあかりの作った美味しい晩御飯を堪能する。


 八百屋でオマケしてもらった、ピーマンと玉ねぎを使った酢豚でご飯を三杯もおかわりした総一郎を、あかりはうっとりと眺め、ぽつりと口を開く。



「総一郎くんは商店街で無双するんだね」
「役に立てた?」
「うん。めちゃくちゃ」
「褒めて。あかりおねえさんバージョンで」
「よーし! おねえさんがたくさん褒めてあげる。えらいえらい」



 総一郎のほっぺについたタレを拭きとりながら、あかりは総一郎の頭をぽんぽんする。


 総一郎はあかりおねえさんに褒めてもらえて満足だし、新たな性癖の扉を開いてしまったことを自覚して後ろめたい気持ちになったが、これからも年下の特権を生かしていきたいと思った。


 


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