離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く

 いきなりの発言に、石橋さんも目を丸くしている。わたしだってびっくりだ。そんなことこの場で言ってもいいの? 

 そもそもわたしをここに連れてきていることで周囲からはカップルだと見られるだろう。もしかしてそれが目的だったのかな?

 以前も『これから慣れていけばいい』と彼は言っていた。周囲に彼のパートナーだと思われることは、大変だと思うけれどうれしい。

 彼の言葉に喜びを感じる反面、他になにか思惑があるのではと疑ってしまう自分もいる。素直に受け止めることができなくて悲しい。複雑な感情が入り混じる。

「あはは、そうかそうか。それは失礼した。いや~小田嶋くんも白木と縁戚関係になるならこれから安泰だな。あはは。じゃあ失礼するよ」

「今後ともよろしくお願いします」

 慶次さんが頭を下げたので、わたしもそれに倣(なら)って頭を下げる。少しもやもやしたけれど、顔を上げる時には笑顔になるように努力した。

「その調子。もう少しだけだから」

 その都度慶次さんも気にかけてくれる。引き受けたからには頑張らなくちゃ。

「社長、あちらに野頭(のず)大臣がいらっしゃいます」

「わかった」

 離れたところにいた七尾さんに促されて慶次さんは挨拶に向かう。
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