離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く

「和歌、こっちだ」

「はい……」

 親族との写真撮影。厳かな雰囲気にのみこまれ、一瞬ぼーっとしていたわたしの左手を小田嶋さんが引いてくれた。

 和歌って呼ばれるといまだにドキドキしてしまう。

 夫婦なのだからあたり前。そういうことがこれから先たくさん出てくるのだろう。それにひとつひとつ慣れていかなければならない。

 結婚までの間、何度かデートをしてきた。

 男性とまともに付き合ったことのないわたしはその都度緊張したが、彼はそれをわかっていたようで、なにもかもわたしのペースに合わせてくれていた。

 カメラマンの指示でわたしと小田嶋さんを中心に親族が並ぶ。

「新婦さん、もう少し新郎さん側に寄ってください」

「はい」

 わたしは少し彼の方へと身を寄せる。

「あの、もう少しお願いします」

 手でもっと近づくようにと指示されて慌てていると、小田嶋さんの手が隣から伸びてきた。そしてわたしの腰をぐいっと引き寄せる。

「これで大丈夫ですか?」

 小田嶋さんの問いに、カメラマンは手で大きく丸を作った。

「ほら、笑顔」

「はい」

 隣で言われて慌てて笑みを浮かべた。しかしわたしは彼と触れ合っている左半身が気になって仕方ない。腰に添えられた手もなんだか恥ずかしくてもじもじしてしまう。

 早く終わってくれないと、顔どんどん赤くなりそう。

 必死になって笑顔を作るわたしだったが、カメラマンのプロ意識が高く何度も違うポーズで撮り直しをした。その間、彼はひと時もわたしから手を離さなかった。腰や背中に触れたり手を握ったりして、わたしをちゃんと導いてくれた。

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