離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
少し調子に乗りすぎたみたいだ。
タクシーに乗り込んだはいいけれど、頭が全然回らない。完全にお酒の飲みすぎだ。なんとか部屋までたどりついてホッとした。
家に戻るとすぐに冷蔵庫に向かって、ミネラルウォーターを取り出す。お行儀が悪いのは承知だけれど、今はそんなこと言っていられない。
ごくごくとペットボトルのまま飲みながらダイニングチェアに座ると、わたしはテーブルに額をくっつけて、さっそく飲みすぎたことを後悔した。
わたしが戻った気配で、慶次さんが彼の部屋から出てきた。
「和歌、戻ったのか。連絡したんだけど、気が付かなかった?」
「え、すみましぇん」
呂律も怪しい。これは本格的に酔っ払いだ。
「無事に帰ってきたならいいけど、連絡くらいしてくれ。飲んでたのか?」
そういえば今日は慶次さんの帰宅が遅いから、わざわざ連絡しなくてもいいと思っていたんだ。まさか彼の方が先に帰ってきているなんて思わなかった。
「少しだけだよ。ほんのちょっとらけ」
嘘がバレないはずはない。少し不機嫌そうに彼は眉間にしわを寄せた。
「こんなところで寝たらだめだ。ベッドに行こう」
「え、あの。大丈夫だから……えっ」
彼はあっという間にわたしを抱き上げてしまう。人生初めてのお姫さま抱っこの驚きとともに彼の体温を感じ、羞恥心が体の中を駆け巡った。
「いいから、ジッとして」
「はい」