離婚するはずが、極上社長はお見合い妻に滾る愛を貫く
 もしかしたらチャンスかもしれない。わたしは色々な気持ちが伝わるように彼の首に腕を回してそっと力を込めた。

 すぐにわたしの部屋に到着し、彼はわたしをゆっくりベッドに下ろす。

「じゃあ、ちゃんと布団をかぶって寝るんだよ」

 連絡もせずに酔っ払って帰ってきても、微笑みながら優しい言葉をくれる彼。でも今のわたしが欲しいものはそれじゃない。

 わたしはとっさに離れていこうとする彼の腰に手を回し、抱きついた。

「待って」

「和歌?」

 体を引き離し、距離を取ろうとする慶次さん。しかしわたしは顔を見られたくなくてギュッと彼に抱きつき、顔を隠す。

 本当はちゃんと話をするつもりだった。

 でも酔っていて、しかも緊張もしていてどうやって話せばいいのかわからなくなった。そんなわたしがとっさに取った行動。でもこれでわたしの気持ちが伝わればいい。

「どうした? 飲みすぎたのか?」

 頭を振って否定する。しかし腕の力は緩めない。

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