やる気のある方、入学お待ちしております。
「ようこそ!北川高校ホームページへ!

北川高校では、1年生から3年生までにかかる全ての学費を負担します。
無料で、3年間プロが教えます。
受験の必要もありません。
校則がなく、自由にのびのびとやることができます。

現在の在校生…2名」

こんな学校があるなんて…。
親が残してくれた貯金でギリギリの生活を送っていたミントにとって、これほど第1志望にふさわしい高校はなかった。

ん?

流れるようにして文字をインプットしていた視線がピタリととまった。

「下記の条件に当てはまる方は入学を拒否させていただきます。

・親族がご存命の方。また、頻繁に連絡を取り合うほど仲の良いご友人がいる方。
・転校または退学をする可能性がある方。
・やる気がない方 」

なるほど。こんな条件があるから在校生が少ないのか。
ま、私には関係ないけど。

「入学申し込みはこちら↓↓↓」

赤い表示をダブルクリックし、住所や名前などの個人情報を入力する。
全ての項目を埋め、「入力完了」をおす。

「申し込みありがとうございます!
入学手続きが完了しました。
4月に皆様に会えるのを心よりお待ちしております。

本校は山の奥深くにございます。
寮がありますのでよろしければお使いください。」

身分証明もしなくていいなんて…。
やはり法に触れる感じの学校なのだろうか。
学校という名の強制労働施設てきな。

もういいや、考えても無駄だ。

ベットの上で広げていたパソコンをシャットダウンしないまま閉じ、床に置く。
そんな何気ない動作ですら面倒くさい。

歯を磨くのを忘れた。でも、起き上がる気力すらない。

生きている意味なんてあるのだろうか。
誰もが行き着く疑問。
ああでもない、こうでもないと考えながら目を閉じた。
意識が遠のいていき、そのまま夢の世界へと足を踏み入れた。
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