シングルマザー・イン・NYC
ドアを開けてもらい、部屋の外に出る。
階下から、みんなの楽しそうなざわめきが聞こえてくる。
ウェディングドレスは、アレックスと一緒に選んだ。
何度もDMをやり取りし、とても楽しかった。
上半身と袖には贅沢なレースが使われ、スカート部分は芍薬の花びらのように生地がしっとりと折り重なっている。そして、すうっと後ろに伸びたトレーン。
階段のところに来ると、下から「希和?」と樹さんが顔をのぞかせた。
その表情はすぐ笑顔に変わる。
「いいね。ドレス、とても似合う」
そうして階段を上がって来て、私の手を取った。
庭に出ると、慧が「おめでとう、お母さん」と駆け寄ってきて、両腕に抱えていたアイリスのブーケを渡してくれた。
「嬉しい……懐かしいな」
樹さんと私が出会ったのは、ゴッホの『アイリス』の前でだった。
「もしかして、作ったのはお母さん?」
少し離れたところでマリアと夫のホセさんと話している母さんの方を見ると、母が気付いて、頷いた。
「希和のお母さん、フラワーアレンジメント習ってるとおっしゃったから。アイリスで作ってくれるよう、俺が頼んだんだ」
「ありがとう」
階下から、みんなの楽しそうなざわめきが聞こえてくる。
ウェディングドレスは、アレックスと一緒に選んだ。
何度もDMをやり取りし、とても楽しかった。
上半身と袖には贅沢なレースが使われ、スカート部分は芍薬の花びらのように生地がしっとりと折り重なっている。そして、すうっと後ろに伸びたトレーン。
階段のところに来ると、下から「希和?」と樹さんが顔をのぞかせた。
その表情はすぐ笑顔に変わる。
「いいね。ドレス、とても似合う」
そうして階段を上がって来て、私の手を取った。
庭に出ると、慧が「おめでとう、お母さん」と駆け寄ってきて、両腕に抱えていたアイリスのブーケを渡してくれた。
「嬉しい……懐かしいな」
樹さんと私が出会ったのは、ゴッホの『アイリス』の前でだった。
「もしかして、作ったのはお母さん?」
少し離れたところでマリアと夫のホセさんと話している母さんの方を見ると、母が気付いて、頷いた。
「希和のお母さん、フラワーアレンジメント習ってるとおっしゃったから。アイリスで作ってくれるよう、俺が頼んだんだ」
「ありがとう」