シングルマザー・イン・NYC
「俺は女の子がいいな」

「そうなの?」

「うん。かわいくできて楽しいだろー? 希和は?」

「……どっちでも。元気に生まれてくれれば」

男の子なら篠田さんに似たりするのかな。

その時、テレビでアナウンサーが「ジャパン」と言ったのが聞こえた。

画面を見ると、「日本の政治家、篠田勇氏、死去」のテロップ。

――篠田さんのお父さんだ――

「この人って、もしかして――」

アレックスも気付いたが、私は咄嗟にリモコンを手に取り、スイッチを切った。

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