セカンドマリッジリング【コミカライズ原作】
最初に会った時なんて本当に会話がまともに成立してなかった気さえするのに、あの頃と比べれば颯真は別人のように話すようになった。
花那を褒め優しい言葉をかける、そんなのが当たり前のようになって……
「そうか? 君と話していると勝手に言葉が出るようになって、もしかして花那は嫌だった?」
「嫌じゃ、ないけど……」
恥ずかしくて照れ臭いのだと言えば颯真は止めてくれるだろうか? いや、彼はそんな花那の反応も可愛いと真面目な顔で言い出しかねない。
花那だって褒められているのだから、嫌ではなく嬉しいので困っているのだが。
「じゃあ、花那を褒めるのは止めない。俺は言いたいことを言える、今の自分が結構気に入ってるんだ」
ハッキリとそう言う颯真は、スッキリとした笑顔で彼が本音を話していることが分かる。確かに颯真の雰囲気は良い方に変わっているので、良い事だと花那も思うのだが……
「もっとモテるようになりそうね、颯真さんは」
外科医と言う仕事に就き、頭もよく容姿端麗。そのうえ話しやすくなれば、結婚していると分かっていても彼に近付こうとする女性がいるかもしれない。
そんな事を考え花那は胸の中がモヤモヤしてくる。ムスッとした花那を見て颯真は驚いたような表情で花那に尋ねてくる。
「もしかして、花那はヤキモチを妬いてくれてるのか?」