ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


織くんたちのクラスは学園祭が始まっても舞台の練習で放課後残るようになったから、一緒に帰ることもなくて。


正直、ホッとしている。


織くんと顔を合わせることが少なくなってホッとしているなんて、罰当たりだ!なんて思うけど。


お家に帰ったらクタクタで、すぐに寝てしまうし。


このまま何事もなく時間が進んで、前みたいに織くんと普通に話せたらいいのに……。


こんな風に思うのは、わがままなのかな……。


「白井たちそろそろ休憩行っていいよ。観に行くんだろ、柳瀬のクラスの舞台」


お昼過ぎ。


少しお客さんが減ったタイミングで、隣にいた山口くんが声をかけてくれた。


「あっ、うん」


「よーし!じゃああとは頼んだ!山口!行くか、初花!」


テンションMAXのしゅーちゃんがそう言いながら肩を組んで来て。


私たちは4人で体育館へと向かった。

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