ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


「幼なじみのことで、きっと色々考えることもあると思うから」


「えっ……」


織くんの口から広夢のことが出てくるとは思っていなくてびっくりする。


そういえば、初めて柳瀬家で織くんと会った時に広夢との写真見られているんだっけ。


一緒に肉まんを食べた時も、ポロッと広夢の話をこぼしたかも。


織くん……気にしてくれてたんだ。


「だから、これからも、白井さんにアピールするの許してもらえないかな。迷惑じゃなければ」


「迷惑なんてそんな!」


推しになんてことを言わせてしまっているんだ。だってこんなこと起こるなんて思うわけないんだもん。


固まって何も考えられなくなる。


「もう一回、ちゃんと告白する。その時に改めて返事聞かせて」


その真剣な瞳になぜか目頭が熱くなって。


「……わ、わかり、ました」


今の私には、そう小さく返事するのがやっとで。

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