ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。
「いいよ、白井さんがどう思っていようが、そんなこと考えられる余裕なくなるぐらい可愛がるから」
「ひっ!」
「ね?」とわざとらしく吐息混じりに耳元に声がかかって体がビクつく。
織くんのちょっといじわるな声色。
近い。近すぎる。
顔も体も声も。
「ねぇ、白井さん。『織』って呼んで」
「えっ……お、織、くん?」
「そーじゃなくて」
へっ?!
もしかして、呼び捨てで呼べと?!
「む、むむむ無理だよ!!」
「……」
全力で断ったら目を背けてあからさまにしゅんとした顔を見せた織くん。
ず、ずる〜い!!なにその顔!!
私がすごくいじわるしてるみたいじゃん!!めちゃくちゃ可愛いけど!!
織くんの方がいじわるなのに!!
織くんにこんな顔をさせるなんて許せない!!その張本人が私なんだけど!!
もう!!
しょーがないなー!!
「……お、織?」
あまりの恥ずかしさに目を逸らして呼べば、ギュッと抱きしめられた。
「……っ、……マジか、思ってた5000倍ヤバいね、これ」
5000倍って……ヲタクモードのときの私みたいになってるよ、織くん。
それがおかしくて、織くんの体温が温かくて。
幸せだと心の底から実感する。