片思いウエディング～夫の不倫で！？離婚しましたが、コロナ禍で再婚して赤ちゃんを授かりました～

私は黒沼さんと一緒にホテル内のショッピングエリアの店に入り、女性物ハンカチを選んだ。

「誰かにプレゼントするんですか？」

「はい…まぁ」

黒沼さんは語尾を濁した。
お母様が勧める見合い話にも耳を貸さず、仕事一筋の柊也さんにも気になる女性ができたのだろうか。

「柊也さんにもようやく春が来たんですね」

「…でも、社長の気になる女性には色々と問題がありまして…」


「へぇー…」

「確か…ハンカチの色はピンク色だったはず…」


黒沼さんはピンク色で花柄のハンカチを手に取った。

黒沼さんの説明だと柊也さんは女性の忘れたハンカチを拾ったのに、紛失してしまったようで。

黒沼さんはそのハンカチと同じ色で花柄のハンカチを探していた。

「別に同じ色と柄に拘る必要はないと思いますよ…黒沼さん」

「それもそうですね…」

「これなんて可愛いですよ…」
私はハンカチを選び、黒沼さんに見せた。

「可愛いですね…彼女のイメージにぴったりだ。ありがとうございます。澪様」