片思いウエディング~夫の不倫で!?離婚しましたが、コロナ禍で再婚して赤ちゃんを授かりました~
「私はこの子を産みますよ…圭斗さんが反対しても…この子は産みます!!」

澪は空気を目一杯吸い込み、大声で訴えた。

「・・・感染したら、重症化するかもしれないんだぞ…死ぬかもしれないんだぞ」
俺もそして…俺の周りに居る大切な人達まで感染していく最中。
澪まで失いたくなかった。
漠然とした不安から出た言葉だが、目に見えない子よりも澪の方が大切だった。
「・・・それでも産みます…」
俺の子を身ごもった澪…
か弱そうに見えて、澪は強い。

常に俺を見つめる一瞳には凛としたきらめきが宿っている。
澪は大人しい女性だが芯の強い女性。

「澪…」

「・・・私のカラダの為にそう言ってくれているんだと思っています…」
「そうだ・・・」

「・・・貴方が私を想うように…私はお腹の中の子を愛しく思っています」
澪は沙織と同じようなコトを言っていた。
俺は沙織と共に渡米。

沙織には安堂の子は中絶しろと言った。

「この子は確かに修さんの子よ…でも・・・私の子でもあるの。圭斗」

「沙織…」

「貴方が私のコトを想うキモチは分かる。でも、私もお腹の子のコトを愛しているの」


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