蒼月の約束
ナターシャが真っ先に花に駆け寄り、花に手を伸ばそうとすると、今まで微かに聞こえてきた音楽が一層と大きくなった。
しかし、何を言っているのか全く分からない。
どこか知らない言葉の子守歌のように優しいが、その間にも強さを垣間見せてくる、そんなメロディーだ。
「なんの…」
歌?と言いかけてエルミアは口を閉じた。
エルフ三人が、青ざめたまま立ち尽くしている。
「どう…」
あまりの寒さにもはや、どうしたの?という言葉さえ口から出てこない。
不思議な音楽と、エルミアの歯がなる音だけが洞窟内に響いていた。
「私が行く」
突然リーシャが進み出た。
その言葉にサーシャとナターシャが「いけません!」と叫ぶ。
リーシャは花を見つめながら呟くように言った。
「薄々気づいてはいた。精霊の道具を手にする為には、等価交換が必要だと」
「え…?」
エルミアの声が小さく漏れた。
どういうこと?
「だから、今回は私の番です」
サーシャとナターシャがリーシャの腕を掴んだ。
「私が、行きます!リーシャさまは…」
リーシャは黙ったまま、自分の腰にさしていた短剣を取り出した。
そして古代花の近くにより、深く息を吸った。
掲げた短剣でひざ裏まで伸びた金色の髪をザクッと切る。
「リーシャさま!」
2人が叫んだ。
何が起きているのか、全くついていけないエルミアはその場をただ見守るしかない。
リーシャは美しく輝くシルクのように滑らかな髪を宝石のようなエメラルドが生える地面へと落とす。
その瞬間、地面が突然輝き、それと同時に髪が消え、リーシャの手には透明の古代花が握られていた。
「これで、3つ目ですね」
エルミアに向かって、短髪の天使が微笑んだ。
それを呆然と見つめるしかない。
エルミアが、エルフたちにとって長い髪がどれだけ重要であるか、短く切ることがいかに屈辱的なのかを知るのは、ずっと先のことになる。
しかし、何を言っているのか全く分からない。
どこか知らない言葉の子守歌のように優しいが、その間にも強さを垣間見せてくる、そんなメロディーだ。
「なんの…」
歌?と言いかけてエルミアは口を閉じた。
エルフ三人が、青ざめたまま立ち尽くしている。
「どう…」
あまりの寒さにもはや、どうしたの?という言葉さえ口から出てこない。
不思議な音楽と、エルミアの歯がなる音だけが洞窟内に響いていた。
「私が行く」
突然リーシャが進み出た。
その言葉にサーシャとナターシャが「いけません!」と叫ぶ。
リーシャは花を見つめながら呟くように言った。
「薄々気づいてはいた。精霊の道具を手にする為には、等価交換が必要だと」
「え…?」
エルミアの声が小さく漏れた。
どういうこと?
「だから、今回は私の番です」
サーシャとナターシャがリーシャの腕を掴んだ。
「私が、行きます!リーシャさまは…」
リーシャは黙ったまま、自分の腰にさしていた短剣を取り出した。
そして古代花の近くにより、深く息を吸った。
掲げた短剣でひざ裏まで伸びた金色の髪をザクッと切る。
「リーシャさま!」
2人が叫んだ。
何が起きているのか、全くついていけないエルミアはその場をただ見守るしかない。
リーシャは美しく輝くシルクのように滑らかな髪を宝石のようなエメラルドが生える地面へと落とす。
その瞬間、地面が突然輝き、それと同時に髪が消え、リーシャの手には透明の古代花が握られていた。
「これで、3つ目ですね」
エルミアに向かって、短髪の天使が微笑んだ。
それを呆然と見つめるしかない。
エルミアが、エルフたちにとって長い髪がどれだけ重要であるか、短く切ることがいかに屈辱的なのかを知るのは、ずっと先のことになる。