蒼月の約束

「女王にかけられた呪いのせいで、このペンダント身着けた妃は永遠の眠りにつきました。
そして、それを見た王が激怒し、戦争を起こしたのですが、敗退。
それ以来、この王宮の周りには呪いがかけられているのです」

リーシャの後をついでサーシャが言った。

「生前、王がかけて下さった魔法により、この宮殿だけは守られているのですが、外には出ることが出来ません」

「でもちょっと待って。この前、私を追いかけて王子が…」

そしてその時、王子が腕を怪我していたのを思い出した。

「もしかして、襲われたの?」

「いえ」

リーシャが首を振った。

「この王宮の周りにかけられているのは、恐ろしい幻覚を見るという強力な魔術です。王子はきっと、自分で幻覚から目覚めさせるために自分自身を切ったのでしょう」


言葉が出なかった。

そんな危険を冒してまで、王子が私を追いかけて来たなんて…

「どうしてそこまでして、私を…」

「あなたが、予言の娘だからです」

突然後ろで声がして振り向くと、王子の側近が立っていた。




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