幻想館-白雪姫-
「彼女の犯した行為は私に責任があるんです」



如月は黙って続きを聞いた。



「私はここが産婦人科なのに、赤ちゃんを堕胎した事に何の未練もなくむしろ余計なお荷物を背負わなくていいと・・・」



美奈の言葉が途切れた


そこへ急にドアが開いた。



「美奈!」



如月は入って来た男を制止させた。


「君、席を外してくれたまえ」


「アンタ、誰?」


「警察の者だが」



「じゃあ俺も関係者だから、同席してもいいだろう」



「では余計な口出しはしないように。美奈さん、続きをどうぞ」



男はその言葉にムッとした。


しかし如月は無視した。



彼女は話しを続ける。


「あの人の怒りは今にして思えば当然の事でしょう。私・・・自分の事だけしか考えていなかったし、例え今はおろしても必要になった時に産めばいいと思っていました」


「そうだよ、ガキなんかいらないさ」



男が口を挟む。


「君には聞いていない」


「でも私・・・おろした赤ちゃんに会ったんです!」


「それで・・・」


「身勝手な私を助けてくれました。確か魔境に立っているからって」


「美奈、何言ってんだよ!」


男は美奈の言葉がわからなかった。







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