幻想館-白雪姫-
スクリーンには美奈と由希奈が供養塔の前で、手を合わせている姿が映し出されていた。



「今回は如月君の出番は余りなかったですね」


「そうですね、あの子達が二人を救ったのですから」



館長さんはアールグレイをセレクトして如月に差し出した。



「世の中には様々な事がありますが、人の弱みに付け入る輩には気をつけなければいけませんね」


如月は頷いた。



「あの子供達は、何故幻想館に迷い込んでしまったのですか?」


如月の問いかけに館長さんは微笑んだ。



「さあ・・・でも私の入れたものを美味しそうに頂いてくれたので、それだけで満足ですよ」



優しい表情を見せているあなたと時折見せる厳しい表情。


本当のあなたは、どちらなのでしょうか

如月はそんなふうに感じた。



「ところでしばらく此処を留守にします」


「どこかへ旅立たれるのですか?」



「ひとところにいるのも飽きますから。
落ち着いたら連絡しますよ、如月君」



・・・と言うことは私もまた別の空間にでも行く事にしましょう。



「紅茶をご馳走さま。では館長さん、お元気で」



如月はお辞儀をしたあと闇の中に消えて行った。



そして館長さんが手を挙げると部屋が吸い込まれるように消えてなくなった。



残ったのは闇の空間に立っている館長さんだけだった。


「幻想館は本日を持ちまして、しばらくの間、閉館させて頂きます」



そして彼もまた、深い闇の中へ・・・。


< 29 / 29 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

気づけば、あなたが

総文字数/65,572

恋愛(その他)145ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
いつだって 想ってた でも 素直になれなかった 気づかない振りして ゴメン! まだ・・・間にあうかな この想い
幻想館ーシンデレラ編ー

総文字数/19,626

ファンタジー36ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
遠い記憶 小さな箱 ふたを開けると キラキラ光る宝石 ネックレス リング その横に掛けられているシルクの生地 純白のドレス たちまち変わる 夢の世界 小さな素足に まばゆいガラスの靴 夢の世界は楽しくて 夢の世界は切なくて そして・・・ 花火のように 儚く散る
幻想館-眠り姫編-

総文字数/29,515

ファンタジー48ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
友達といる時は、 よく時間も忘れて 楽しいおしゃべりに 花をさかす。 友達って、 仲がいい時は、 ハッピーだけど、 一つ歯車が外れると みんなバラバラに・・・・・・ それを元に戻すのは とても大変なのかもしれない。 友達って、 時には 残酷な悪魔に 変わる・・・・・・。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop