妹を溺愛する兄が先に結婚しました

妹が喧嘩しました

~Side 爽~



出会いは、小学校入学の日。


和奏は隣の席だった。


この頃からよく笑う子で、

周りをも明るくする人柄が印象的だった。


一方で、私は引っ込み思案。

クラスに馴染めなくて、親離れができていなかった。


そんな私に最初にできた友達が、和奏だった。


人見知りする私の手を引っ張って、クラスの輪の中に入れてくれた。



小学4年生になって通い始めた塾。そこに和奏がいた。


この頃だったと思う。

和奏への恋心を自覚したのは。



和奏は人気者ですごくモテた。


面白い、足が速い、友達が多い。

小学生男子のモテ要素を網羅していたから。


だから、私の恋は密かな片想い。



小学5年生の時に一緒に地域のミニバスケットボールチームに入って、中学でも同じバスケ部に入部。


ずっと気持ちは伝えられなかったけど、一緒にいたかった。



中学生になって和奏のモテは落ち着いた。


理由は『和奏は友達でいるのがいい』らしい。

和奏には申し訳ないけど、ホッとした自分がいた。


フラれるのが怖くて告白する勇気もないくせに……。


幼なじみという立場を利用して、和奏の隣に居続けた。



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