妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「それは……、真崎のせいではなくない?」


最後まで私の話を聞いてくれた時原はそう言った。


「そうなんだけどさ……。でも、折部くんからしてみれば手紙が届かなかったんだから、嘘を吐かれたのと同じだよ。

……昨日ね、嘘つきって言われたの。『嫌い』って。私の『全部をぶっ壊してやりたい』とも言われた」


折部くんに言われた言葉を繰り返して、改めてその言葉の鋭さに苦笑いする。


許されていないのを実感した。


「酷いこと言うね」


「ま、そうさせたのは私なんだけど……元々スれた性格ではあったけど、あんな風に嫌悪感を出す人ではなかったし」


「大丈夫……?」


今度は時原が覗き込むように見てきた。


不安そうな顔をしていたので、


「大丈夫だよ」

と笑顔を見せて答える。


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