妹を溺愛する兄が先に結婚しました
「な……、いや!」


先輩が覆い被さる。


突然のことで驚きながらも必死に抵抗する。

全身に鳥肌が立って、力いっぱい拒否して……、なのに男の人の力に敵わない。


先輩の顔が近づいてくる。


「やだ……!」



どうして、先輩……。

涙が落ちた。



その瞬間。


「……冗談だよ」


馬乗りになっていた先輩が離れた。



「……え?」


「無理に襲ったりしないよ」


身体を起こすと、悲しそうな先輩の表情が目に映った。


「……目的は、復讐。真崎先生にね」


「お兄ちゃんに……?」


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