年上なのに、翻弄されて
耐性の無い私は,蓮の色気にあてられて,膝から崩れ落ちそうになる。

そんな私の腰を支えて,蓮はまた顔を近づけた。



「分かった? 呉羽」

「ふぁあっ」



息が,耳に……!



「わっ分かった。もう,しないっ」

「ふふっ。うん,そうして? 呉羽は今みたいに僕の事だけ考えていてくれれば良いから」



そう言って,蓮は鼻歌でも歌い出しそうな笑顔で離れて行く。

なんで……何で蓮はこんな惑わす様なことばかりするの?

私は意味もなく,すごく泣き出したくなった。
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