バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される

★僕は彼女に一瞬で心を奪われた　～拓真★

ハンカチを落とした女性に声を掛けると、振り向きざまに頬を叩かれた。
しつこい男と間違えたようで、必死に謝るその女性は、目を見張るものがあった。
でも、この人どこかで見たことがあるような・・・

お詫びにと誘われたカフェで思い出していた。
そうだ、確か・・・
青羽設計で見かけた人だ。
何度かすれ違って、綺麗な人だといつも思っていた。

間近で見ると、容姿の美しさだけではない。
洗練されたオーラがまとっている。
ふと髪をかき上げる仕草、微笑む姿も見惚れる。
心を奪われるって、本当にあるんだ。
一目で惹かれた。
また、会いたい。

それからしばらくして、先輩が青羽に行く予定があるのを聞いて、お願いして僕が行くことになった。
もう1度彼女に会いたい。
そう願っていたら、彼女が打ち合わせの部屋を訪れた。
このチャンスは逃せない。
何とか話ができるようにしたい。