バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
吉本課長に時間を作ってもらえるよう、お願いした。
仕事をしている彼女の凜とした空気感に、もっと惹かれた。

幸いにも、もらった名刺には、会社携帯の番号が書かれていた。
もっと話がしたい。
そう願いながらメッセージを送った。

強引な行動だと分かっていたが、そうせざるを得ないくらいの衝動に駆られた。
彼女からお詫びのメールが来たが、返信をしないで待ってよう。

「やっぱり来ないか・・・」
でも、あともう少しだけ。
「コーヒーでも飲んで待ってよう」
カフェでテイクアウトのコーヒーを買い、外に出ると、女性が男の人に言い寄られているように見えた。
「あれは、緑川さんじゃあ・・・」
僕は慌てて彼女の傍に駆け寄り、肩を引き寄せた。

一緒に食事をし、お酒を飲みながら会話する彼女の、時折見せる妖艶な瞳も、僕の話を聞いて笑う愛らしさも全てに魅了された。

職場が一緒なら、毎日顔も見れるのに・・・
それほど、彼女に心を捕らわれ始めていた。
********************
< 14 / 89 >

この作品をシェア

pagetop