バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
駅の近くのBarを待ち合わせ場所にして、藤井さんより先に座って待っていた。
時間通りに藤井さんが来て、私の隣に座った。

「お忙しいのにすみません。今日はご迷惑お掛けしました」
「いや、いいよ。誰にでもミスはあるさ。いいねぇ、このお店。久々にこんなお店に来たよ」
「そうですか。青羽さんとは来られないんですか?」
「彼女はこういうところは、あまり来たがらないよ・・・」
「でも、可愛くてしかたないでしょ。すみません、私が誘ってしまって、彼女に悪いことしましたね」

私は、日頃出さない「女の色気」を存分に出した。
わざとシャツの首元を広げている。
彼の目が胸元にいく。
「い、いや、いいんだよ」
藤井さんはウィスキーを一口飲み、不敵な笑みを浮かべて私を見ている。

私は体を藤井さんの方に向け
「若いから肌も綺麗し、社長令嬢だし、いいじゃないですか」
「確かに可愛いよ。でも緑川くんのような色気はないよ。いつも、体が不完全燃焼でね」
この人、最低だ。
私は手で髪をかき上げて、色目を使う。
「そうなんですね。でもいいんですか、私にそんなこと言って。これからどうなるか、責任持てませんよ」
「ぞくっとするね。あぁ、君のような美人はそうそういない。今日は2人でゆっくり大人の時間を楽しみたいなぁ」
そう言って、カウンターの上に置いた私の手の上に、自分の手を乗せようとした。
私はさっと携帯に手をかける。
「じゃあ、その前に聞きたいことがあるんですけど」
「何?」
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