バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「懲らしめて?隣の男性のこと、懲らしめていたんですか?」
「そうなんですよ」
目を丸くしてびっくりした顔から、いつもの笑顔に変わった。
「そうでしたか・・・それでですね、その方が凄い形相でお店から出て来たのは。緑川さんは綺麗だけでなく、かっこいいですね」
「お褒めの言葉として受け取りますね」
私も笑って答えた。
「・・・でも、良かったです」
「えっ?」
「いえ、何でもないです」

爽やかな笑顔だ。
いつもの赤星さんに戻ったようだった。
「あっ、そうだ。実は、御社と今後の営業展開に向けて、プロジェクトが立ち上がりまして、そこのメンバーに僕もなりました」
「その話、先日、連絡会議で話を聞きました。実は、これからの展望を知ることは大事だと、私も参加させていただくことになってまして・・これからも宜しくお願いします」
「こちらこそ。それじゃあ、これから頻繁にお会いすることになりそうですね。嬉しいです」
赤星さんは少し照れながら、はにかむ笑顔でこちらを見た。

赤星さんとは、このお店で偶然に出会ったり、一緒に仕事したり、とても不思議な縁を感じた。
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