バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「いえ、緑川さんの声が聞きたくなって。今大丈夫ですか」
会社でも十分に話したのに。

そう言えば、いつも入社後は環境が変化するから、面談していたけど、赤星くんには入社してからのこと聞いてなかった。

「ねぇ、環境変わったけど、大丈夫そう?」
「大丈夫ですよ、皆さん親切ですし。でもつらいことあれば、慰めてくださいね」
「うん、その時は相談に乗るから」
「絶対ですよ!じゃあ、また明日」
「うん、また明日ね」
「切ったらすぐに登録してくださいよ!」
「も~、わかったわよ」
時間にしたら数分の他愛もない会話。

すると、すぐにメールが入った。
「登録出来ましたか?まだなら今すぐしてくださいよ。それと言い忘れてましたが、おやすみなさい」
「も~、今切ったばっかりじゃないの、ほんとに・・・」
あまりのほのぼのさに、自然と笑みがこぼれた。

平日は会社と家を行き来して、仕事で追われる日々。
「おやすみなさい」の言葉を交わすことが、心を癒した。

それから、会社では1日に一度は赤星くんが声をかけてくる。
そして、毎日電話がかかってきて、ほんの少し、他愛もない話をして、必ず、おやすみなさいのメッセージが来た。

そんな毎日が1ヶ月続いたある日、夜、何時になっても電話がかかって来なかった。
「どうしたんだろう、出張でも接待でも必ず、連絡くれたのに」
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