バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
【いつまでも変わらない愛を】
新婚旅行から帰って来て、どうも拓真の様子がおかしい。

「ねぇ、拓真、拗ねてるよね?せっかく楽しかったのに、何で機嫌悪いの?」
「別に、何でもないですけど」
拓真は顔も見ず、片付けていた。
「ねえ、こっち見て」
拓真の顔を無理矢理こっちに向けて、目を合わせた。
「奈織さんのせいじゃないけど、奈織さんが原因なんですよ」
「ごめん、何か気づかずにしてたら。それで、どんなこと?」
実は・・・

★回想 ~拓真★

幸せ一杯に過ごした新婚旅行。
それは、帰りの飛行機での出来事だった。
奈織さんは寝ていて、後ろの席の男性2人の会話が聞こえた。
「前の女の人、めちゃくちゃ綺麗だよな。俺、さっきすれ違ったけど、近くで見ると、もっと綺麗だぞ。スタイルもいいし、いい香りだった。空港着いたら、声かけてみる?」
「あぁ、俺も見た。俺は今、寝顔も見たけど、そそられるぜ」
「うわっ、いいなぁ、俺も寝顔見たい」
「でも隣の男と話してるとこみると、彼氏とかじゃないの?」
「敬語だったから同僚かもしれないし。とにかく、後で声かけようぜ」
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「こんな会話を聞いた僕は、どんな気持ちだと思いますか?せっかく奈織さんと結婚しても、これじゃ奈織さん1人でどこにも行かせられない」
「大丈夫よ。ついて行くわけでもないのに」
「そういう問題じゃないんです!自分の妻が、出かける度に声をかけられているんじゃないかと思うと、ゆっくりしてられません。独身の時の方が、まだましでした。結婚してからひどくなってませんか?」
「うーん、そうでもないと思うけど」
「奈織さんは麻痺してるんですよ!あぁっ、もうどうしたらいいんだろう・・・」
拓真は、いつまで私の心配をするのだろう。
もう赤星奈織になっているのに。
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