絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

第3話

■ 第3話

    ◇ ◇ ◇

 私はおずおずと隣を見上げる。視線を感じたのか、先ほど会ったばかりの男性──この方はイラリオ=カミーユという名前で、セローナ地区の聖騎士団の団長をしているらしい──はすぐにこちらを見返した。 
 青色の瞳と、しっかりと目が合う。

「どうかしたか?」
「あのー、カミーユ様。本当に私が聖女候補なのでしょうか?」
「ああ、間違いない」
「そうなのかなぁ。違うと思うんですけど……」 

 納得いかず、しきりに首を傾げる。

 聖女様の代替わりで聖協会が聖女候補を探していることは、私も知っている。
 聖女光臨の儀が行われるのは、実に三十年ぶりのこと。詳しいことはよく知らないけれど、町の人達が噂話をしていた情報によると、その候補者は通常、由緒正しき貴族令嬢から現れるそうなのだ。
 各地域にある五つの大聖堂が神託を受けて聖女候補者を見つけ出し、本当の聖女になれるのはそのうちのひとりだけだと聞いた。

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