絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

第3話

■ 第3話

「うん。そうだね」
「じゃあ、あっち方向からぐるりと一周しよう」

 イラリオさんは湖に向かって右方向を指さした。
 地面に視線を走らせながら、私とイラリオさんは湖岸を歩く。イリスとザグリーンも後ろを付いてきた。

(ん? あれは……)

 顔を上げて前を見た私は、遙か向こうにサンとミンとはまた違う精霊がいるのに気付いた。
 黄色い衣装を着ており、姿形は風の精霊や水の聖霊に似ているけれど、全身がキラキラと輝いている。大聖堂にいる光の精霊と同じだ。

「リーン、あれは何の精霊?」
「光の精霊だ」

 ザグリーンは私の視線の先にいるその精霊を見て、そう教えてくれた。やっぱり、思った通りだ。
 光の聖霊は、水辺で足をバシャバシャとしながら遊んでいた。跳ねた水滴が太陽の光を反射してより一層煌めいている。

「こんにちは」

 私達はその精霊に声をかける。
 精霊は私の声に気付いてこちらを振り返ると、にこりと笑った。

[こんにちは。はじめまして]
「こちらこそはじめまして。私はアリエッタ。みんなからは〝エリー〟って呼ばれているわ。あなたは光の精霊?」
[うん、そうだよ。リアっていうんだ]

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