腐女子な女!

 『ガルディスト戦記』


 最初の方は、ありがちな、勇者が魔王を倒す話だった。


 魔剣を手に入れた勇者が、その力を持って魔王を倒す。しかし、魔剣の呪いによって、勇者は徐々にその理性を失っていき、戦いに身を興じるようになっていく。


 見たものすべてを殺すようになっていく勇者。


 やがて、勇者と呼ばれていたその男は、魔王と呼ばれるようになり、新たに現れた勇者によって、倒される・・・という・・・。


「・・・・・・・・・・・・つまんねぇ~・・・」


 現国の授業中、モロに授業をサボって、読みふけった私から出た言葉はそんな感想だった。


「え?どこが?」


 放課後、私の元に来た佐倉くんの言葉。


 場所は図書室。


 さすがに周りの女子の目が気になって仕方のない私は、そこに場所を移動していた。


「いや・・・まず、勇者が魔王を倒しに行く過程が不明すぎよ、この作品。どうして、勇者が魔王を倒すことになったのか?そして、魔剣の能力もいまいち不明瞭。そして、何より発想が古典的過ぎる!・・・今時、こんな作品受けないわよ!」


 ズバリといってみた。


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