DAY DREAM
6月の雨
できそこないの二人は、揃って25歳になった。

私が四日先に迎えた。私が太一に対して威張っているのは、この四日の差だと思う。

私の誕生日には、ショートケーキを食べて、
太一の誕生日には、ホットケーキにお線香をたてた。

息を吹き掛けても消えないやって、私と太一と、おばあちゃんは笑った。

バカみたいに笑って歌ったゴールデンウィークが終わったのに、アルバイトを始めない私がいる。

そろそろ通帳が、悲鳴をあげ始める頃。

5年前の二人が掲げた「25歳になってから考える」は、もう来てしまった。

私も太一も、そのことに気付いているけど、何も言わない。
お互いが、どちらかが何か言いだすのを待っている。

できれば、もう少し甘えさせてくれる言葉を。

かわりたい、かわれない、かわらない。

今を生きることに精一杯。来年の今頃はきっとなんとかなってるって思う。

来年も、同じこと思うんだろう。
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