DAY DREAM
「誕生日に親が何もくれなくなった。そろそろ危険信号かな」

「何、ゆかちゃん誕生日プレゼントとかもらってたの?」

最近雨が多い。

八百屋の軒下で、アイスを食べながらぼんやりする。

誰も怒らないから楽。
怒れる人がいないというのが現実。
これが実家だったら、昼三時におやつ食べてる娘なんてひっぱたかれてるだろう。

「太一今日うち来る?」

太一は、んー、と唸ってくうを見つめる。

うち来る?の意味をわかっているくせに断るとは、いい度胸だ、なんてつぶやきながら、雨をじーっと眺めていた。

曇りは好きだけど、雨は嫌いだ。
雨が好きな人なんているのだろうか。

水溜まりをよけて家に帰った。
アルバイト、来週探せますように。

次の日も、その次の日も雨で、太一は我が家には来なかった。

雨だろうとなんだろうと、来てくれるのが太一だ。
四日も遅れて産まれてきたのに、生意気な太一。

晴れたら、自転車に乗って会いにいこう。
< 42 / 67 >

この作品をシェア

pagetop