平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
「カ、カルロ、大丈夫? さっき食事したばかりだけれど」

【問題ない】

気にするなとでもいうように、カルロがブラッシングされている伏せの姿勢を整え戻した。大きな尻尾が振られて、包むようにリズに添えられる。

【かっこいいとか、かっこよくないとかは、分からない。俺は白獣。人のことは、よくは知らない】

「ふうん? カルロはよくそう口にするけれど、よく知っているように思うわ」

【……生きている年数が長い分、思考力も高いだけだ】

今度は、考えるような間を置かれた。

カルロがどのくらい生きているのか、結局のところ分からないままだ。けれど、これ以上尋ねられたくない空気を感じてやめた。

カルロにも、白獣なりに何か事情があったりするのかもしれない。以前、ジェドも似たようなことを口にしていた。リズだって、言いたくないことなら無理に話させたくない。

「でもね、団長様ったらぐいぐい来るのよ」

ブラッシングを再開して話を変える。白獣の特徴である白い毛並みは、大型級のカルロになるともふもふも感も一層素晴らしい。

「カルロだって見たでしょう? 今朝なんて、みんながいるのに膝の上から下ろしてくれなかったのよっ」

【まぁ……見てた。だが、落ち着け】

「唇にはしないって約束してくれたけど、み、みんなが見ている前でほっぺや額や頭に口づけきて、ほ、本当にもうもう恥ずかしくって」

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