平凡な私の獣騎士団もふもふライフ4
話題を戻したのは、間違いだったかもしれない。

ジェドとあった触れ合いを思い出して、また恥ずかしくなってきた。

「確かに他のことは待っていてくれているけど、でも唇へのキスだって、『待って』って言っても『もう一回』とねだってきたり」

キスだけで恥ずかしいのも、どうかしているのかしら?

リズは赤くなった頬を手で押さえる。

本物の恋人同士になってから、小さいスキンシップだって数え切れないほど大切にしてきた。それなのに、彼のねだる声がより甘く胸を震わせるのだ。 

こうやって考え悩んでしまうのも、とても恥ずかしがってしまうのも、それだけ彼のことを好きな証拠なのだろうとは思うけれど。

と、ガリガリと書く音が聞こえてきた。

【オスは、そんなものだ。とても好き、なら尚更】

「どういうこと?」

ジェドが『待って』をきかないことについて答えているのだと気づいて、リズはきょとんとして尋ね返す。

カルロが土の上に刻んだ字を、前足でこすって消し、再び書く。

【つまり、発情しているんだろう】

「え」

思いもよらなかった返答に固まる。

確かに、と唐突に思い至った。

もっとしたいと求める時、ジェドの青い瞳が燃えるように熱いのを思い出す。ねだる彼の声が一層甘く胸に響いてくるのも、欲情しているからだ。

『もう少し先まで進めてもいいか?』

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