秘め恋ブルーム〜極甘CEOの蜜愛包囲網〜
数十分後、私たちはエグゼクティブスイートのベッドの上で重なり合っていた。


レストランを後にすると、翔は私を三十五階の部屋に誘った。そして、そのままキングサイズのベッドに沈められてしまったのだ。


テーブルに用意されていた大きな花束も、窓一面を彩る美しい夜景も、ほんの数秒しか堪能する暇がなかった。
けれど、心と体が高揚しているのは私も同じで、まんまと甘いキスひとつで彼の思い通りになっていた。


「ん……っ、翔……」


熱い吐息を漏らせば、呼吸すら飲み込むような深いくちづけをされ、息がどんどん乱れていく。衣服をすべて剥がれた頃には、夢中で唇を貪り合っていた。


節くれだった指が、私の弱い部分を愛でるようにくすぐり、甘切ないような感覚を絶え間なく与えてくる。甘い声を漏らせば、いっそういたずらな動きを見せた。


指とともに唇や舌で触れられると、もうどうすることもできない。体はあっという間に陥落させられ、自分のものじゃないような甘い声を上げてしまう。


私を見下ろす面持ちにはいつもの余裕はなさそうで、その瞳には鋭い光と雄の欲望を覗かせている。私を欲する表情にゾクゾクさせられた。


「志乃っ……!」

「……っ、翔……」


ピンと張られたシーツのあちこちに皺が生じるほどの、甘やかで激しい情交。それなのに、私を抱きしめる腕は優しくて、大切にされていることを肌で感じられる。


キスを重ねるほどに愛おしさが増し、縋りつくように翔の頭を掻き抱いた。
注がれ続けた痺れるような感覚を受け止められなくなったとき、私たちはお互いの名前を呼び合いながら、身も心もとろけるような甘美な渦の中に堕ちていった――。

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