冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~


もちろん匠馬も止めに入ったが、二人の怒りは収まらず、その火の粉は匠馬自身に飛んできた。

「Takuma! which do you like? (匠馬! 私とこの女どっちが好きなの!?)」

と。もちろんどちらも好きではない。思わせぶりなことをした覚えもなかった。

どうやら普段から二人は、小さいバトルを繰り広げていたらしい。どっちが匠馬と多く話したとか、匠馬の隣でご飯を食べたとか、競い合っていた模様。そして今日、ついに爆発したというわけだ。

片方が相手の腕に噛みつき、流血したためそこでようやく終息したが、かなりの激闘だった。

後日、二人は顧問弁護士から聴取を受けた。

その調査によると、二人には借金があり、匠馬の彼女になればきっと匠馬がチャラにしてくれるだろうと考えていたと聞かされた。

がっくりした。結局みんな金なのだ。匠馬の地位と名誉が好きなだけ。

それは物心ついたときから繰り返され、匠馬が女性に対して警戒心をもつのは必然だろう。そんな出来事を経て出会ったのが澪だったというわけだ。


< 101 / 158 >

この作品をシェア

pagetop