冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~


「わかりました。努力いたします」
「あぁ、頼むよ」
「正直、社長は何でもご自分でなさるので、私は必要ないと言われるのだと思っていました」

ハッキリとした口調でそう言えば、匠馬は「それでいい」と、満足げに微笑んだ。

「神谷は休みの日は何してる」
「お休みの日は映画を見たり、本を読んだりしています」
「そうか。俺はバイクに乗るのが好きだ。あとは、絵を見に行ったりすることもある」

バイクとは意外だ。手首が少し日焼けしているのはそのせいなのだろう。

「映画はいつも何を見る」
「なんでも見ます。邦画も洋画も見ますし、アニメも見に行ったりします」

とはいえ、最近はあまり行けていない。理由は簡単。金欠なのだ。

あの日、澪はATMで貯金のほとんどを下ろすと、誠に手渡した。誠は泣きそうな顔で喜んでいた。けれどあれ以来、誠は澪がメールを送っても、返信をくれないし、電話にも出ない。澪は何かあったのではないかと心配している。


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