冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~

それから他愛もない話をしていると、あっという間に次のホテルに着いた。

少しだが、この二時間でお互いのことが知れた気がする。

匠馬はあぁ見えて、意外と偏食だということ。自宅には趣味のバイクが三台ほどあって、先週は一人で九州まで行ったのだとか。やはりタフな人だと澪は思った。

「着いたぞ」
「はい」

待ち構えていた総支配人に出迎えられ、中へと足を踏み入れる。またさっきのように、ロボットだと揶揄されるかもしれない。でも澪はさっき匠馬が言ってくれた言葉に救われていた。

『本音でぶつかりあえるパートナーでいたい』

つまり、澪には対等でいてほしいということなのだろう。匠馬に期待していると言われたようで嬉しくもあり、匠馬についていこうという忠誠心が増した。

「総支配人の今田です。どうぞよろしくお願いいたします」
「本郷だ。中を少し見せてもらう」
「はい」

手短に挨拶を交わし、ホテルの中を視察する。澪は匠馬の後ろをついて回った。

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