冷徹御曹司の最愛を宿す~懐妊秘書は独占本能に絡めとられて~


そんな二人の元に、甲高い声が近づいてきた。

「本郷社長~」

見ればひとりの女性が、グラス片手に近づいてくるところだった。

可愛らしいサーモンピンクのワンピースに、耳や首元にはたくさんの装飾品が付けられている。それもどれもキラキラと眩しい。高いヒールを履いているのにも関わらず、澪より身長は低いように見えた。なんとも愛らしい女の子だ。

「ネクストファーマの若林です。覚えてらっしゃいますか」

匠馬はすぐに仕事の顔になった。

「もちろん。お久しぶりです」
「あちらで少しお話しませんか」

自然と腕を組まれ、ぐいぐいと連れて行かれる。澪も咄嗟に足を進めたが、ぎろっと睨まれてしまった。来るな、と言いたのだろう。仕方なくその場で待つことに。

その間も、匠馬の周りにはどんどん女性が集まりあっという間に囲まれてしまった。もしかするとこの時を待っていたのかもしれない。

ここには上流階級の女性が揃っていて、政略結婚やお見合いという話が、当たり前のように飛び交っているのを澪は知っていた。


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