明日、世界が終わるらしい

「なおさら食べた方がいいじゃん!食べよ!」


「……ん、そうする。値段どれくらい?」


……どのくらいだっけ?


「……『お金はいらない』って書いてあるんだけど、」


きっともう日はないんだし、稼ぐ必要なかったのかな……


「でも作るために人はいるんだけど、どういうことなんだろうな。」


「……じゃあ私食べないからあすか食べたら?」


お金出さないと気持ち悪いし、さすがに人の善意を踏みにじるのも……


「……俺と半分こしような。」


あ、変な気遣われちゃった。


「味は何にするの?」


いちごチョコ……


「……ふっ、いちごチョコでお願いします。」


えっ、笑われた?

てかいちごチョコって言った……!

奇跡かエスパー説?


「……ねぇやっぱり少しもらっていい?」


「もちろん。てか全部あげるわ。」


え、食べたくて買った(って言い方変かも)んじゃないの?


「……全部はお腹の中にはいらないもん。朝食べ過ぎたもん。」


まだ10時だし。


「はいはい、わかったから。俺も食べる。」



レジの人からクレープを受け取ってベンチに座った。
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