影がいるから私がいる
この景色をわざわざ見せてくれたりっちゃんの優しさに感動して、私はりっちゃんに抱き付いた。

「りっちゃん…ホントに嬉しいよ…。
ありがとね…。」


感動し過ぎて、ちょっとだけど涙が出ちゃった。

そんなりっちゃんは私を自分から引き離して、私の両肩を掴んだまま私の事をジッと見てきた。


(りっちゃん…どうしたんだろ。…)


私がボンヤリと考えていたら、りっちゃんが突然顔を赤くして話してきた。


「海希…俺…俺お前の事が好きなんだ!!
俺と付き合ってくれないか?」


「え?」


一瞬何を言われたのか分からず、頭の中がパニック状態になった。


(…好き?誰が?私が?りっちゃんが…私の事が好き?

え…私はりっちゃんの事が昔から好きで、りっちゃんの恋人になれたらな~、とは思ってたけど…これは夢?幻?)


―ペチッ


「おい海希!?しっかりしろ!!」


りっちゃんに言われ自分の状態を確認してみると、あまりの衝撃的な出来事に倒れかけてしまい、りっちゃんが抱き抱えてくれたんだ…。


抱き…?

―ボンッ


顔がみるみる内に紅くなるのが、自分でも分かった。

肩抱かれてるし!?
顔近っ!!

色んな事がごっちゃになり、私の意識はそこで途絶えた…。
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