溺愛ウエディング~最後の夜に授かった赤ちゃんは社長の子、もう二度離さない~
考えるまでもない、私達は結婚出来ない。
仮にもし結婚が決まったら、会長のコトだ。私の過去を洗いざらい調べ上げるだろう。
彼にも、私の過去が知られてしまう。

そう思うと早く彼と別れなければと強く思った。

加那斗さんは私が心から初めて愛した人。

そんな彼には元風俗嬢だとは知られたくない。

社長室の手前にある社長秘書室に戻り、嘆息する。

あんなにも一途に私を愛してくれる加那斗さんを悲しませたくなかった。

不毛な恋だと分かっていながら、ズルズルと彼との仲を長引かせてしまった私の誤算だ。


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